公通組圓通車
公通組は2輛の山車を保有しており、祭礼には圓通車と八公車を隔年に曳き出しています。
祭礼に使用しない山車は、どんてん場に近い八公車の山車蔵に収め、扉を開けて公開されています。
高欄廻りの「波に龍」など山車彫刻一式は名古屋の彫物師瀬川治助重定の作でヒノキに漆塗り、あるいは金箔押しで仕上げられています。
きらびやかで重量感にあふれた山車で、この圓通車は横須賀随一の重量だと言われます。
水引幕「紫紺地に千鳥の乱舞」
左右の側面に各10羽、後部に9羽の千鳥が配されており、すべて異なる意匠の千鳥といわれます。
高さ…約6.45m
間口(幅)…約2.50m
長さ(奥行き)…約5.5m
圓通車のからくり人形~弓射り
大正年間までは動いていたという圓通車のからくり人形は、長らく壊れたままで操ることが出来ず、そのため祭礼では八公車のからくり人形(肩で倒立するからくり)を乗せて祭りを行っていました。
本来の圓通車のからくり人形は名古屋系には例のない弓を射るからくりでしたが、これを見た人もすでに居らず、残骸に近い古人形が残っているのみでした。
平成12年、九代目玉屋庄兵衛がこのからくり人形を復元新調、実に80年ぶりの復活となりました。
からくりは小木偶(こでく)が大木偶(おおでく)に矢台を差し出し、大唐子が矢を抜き取り、弓につがえ的に狙いを定めます。
その矢が三角の的に当たると、的からジャン(鉦)を持ったチャンチャン木偶(でく)が飛び出し、ジャンを打ちならし喜びを表現します。
圓通車の前人形
当初より前人形は無かったようで、祭礼には八公車の前人形「官員さん」を乗せていました。
現在の人形は昭和60年に新調された八代目玉屋庄兵衛作の采振人形です。